他人事ではないですよ! 住宅ローン審査がうまくいかない理由
住まいづくりにおいて避けては通れない住宅ローンですが、その「住宅ローンの審査」がもし通らなかったら…と不安になられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、皆さんが思いもよらぬところに落とし穴があったりします。収入が多いから大丈夫、勤務先が安定しているから大丈夫、ということは実は全くありません!つい他人事に考えてしまいがちな「住宅ローン審査がうまくいかない理由」について、今回は一緒に学んでいきましょう!
住宅ローンの審査における「回答」とは?
金融機関で住宅ローン審査をすると、およそ1週間ほどで審査の「回答」というものが返ってきます。こちらの回答内容によって「希望通りにローンが借りることができるのか」がわかります。まずはこの「回答内容」について見ていきましょう!
住宅ローン審査の回答内容について(承認・否決・減額など)
住宅ローン審査の回答内容については、大きく分けて3つあります。
①承認(満額回答)
②条件付き承認(減額回答など)
③謝絶(全額否決)
それぞれについてご説明していきます。
①承認(満額回答)について
皆さんが金融機関に申し込んだローン内容が、全て希望通り承認されたことを指します。ローンの内容と一口に言っても、金額以外に期間や金利や団信も含まれます。
問題なく審査の承認をもらえれば、皆さんとしてはホッと一安心つけるかと思います。中には、一度承認をもらいつつ、他の金融機関でより良い条件で借りることができるか再審査する方もいらっしゃいますよ。
②条件付き承認(減額回答など)について
次に「条件付き承認」についてですが、こちらは金融機関から一部条件が付いた形での承認になります。
例えば、希望金額に満たない承認(減額回答)や期間を短縮した形での承認、また保証人を追加する条件での承認などがあります。
条件について皆さんが譲歩することができれば、ローンは問題なく借りることができます。もし一部条件に納得いかない場合は、別の金融機関で審査をしてみることをおススメします。
③謝絶(全額否決)について
最後に、一番残念な回答が「謝絶」です。否決ともいいます。とにかく、借りることができません。具体的な理由もわかりません。何か条件をクリアすればいいのかもわかりません。金融機関からは「総合的な理由で…」と理由をぼやかされてしまいます。皆さんからすると、一番途方に暮れる回答ではないでしょうか。後ほど解決策をお教えします。
誰が審査を行っているの?
上記の回答は、一般的に金融機関の窓口担当者(皆さんが書類などを記入する際に担当してくれた人)から連絡が来ます。では実際に窓口担当者が審査を行っているかといえば、そんなことはありません。金融機関では審査を別に行っている部署・会社がありますので、ここではそちらをご紹介します。
・金融機関と提携している保証会社
住宅ローンは、「保証会社」が皆さんの保証人の代わりとなってくれることで成り立っています。ですので、住宅ローンの審査を主として行っているのは保証会社であるケースが多いです。金融機関としても、別会社である保証会社の回答にはある程度従わざるを得ません。謝絶される際に具体的な理由を教えてくれない理由も実はここにあります。
・金融機関の審査部署
近年は保証会社を介さない住宅ローンも増えてきました。その場合は金融機関自身の審査部署が審査を行っています。保証会社を介さない分、金融機関の審査が厳しい傾向があります。
どのようなポイントが見られているの?
住宅ローンは2つの側面から審査されています。1つ目が「ヒトの審査」、2つ目が「モノの審査」です。今回は住宅ローン審査の回答に大きく関わってくる「ヒトの審査」について3つのポイントを取り上げます。
・年齢や勤続年数
まずは、審査基準である年齢や勤続年数を満たさないといけません。年齢には「借入時の年齢」と「完済時の年齢」とがあり、両方を同時に満たす必要があります。また勤務先のチェックもあり、どこで働いているのか、そしてそこで何年働いているのかは、審査で大きなチェックポイントになります。一般的に勤務年数は長いほど良く、短いほど不利になります。
・返済負担率
これは皆さんの収入に対するローンの返済額の比率のことです。年収比率や返済比率とも言います。ローンの毎月の返済予定額を×12カ月分し、皆さんの額面年収で割ることで、返済負担率が計算できます。
例)毎月ローン返済額10万円×12カ月=120万円/年収400万円の場合、
返済負担率は30%となります。 ※返済額には住宅ローン以外のローン返済額も含む
一般的にこちらの比率は低ければ低いほど良いです。20%以内に収まっていることが理想的ですが、30%くらいが目安です。これが35%~40%ほどになると金融機関の目線も少し厳しくなります。住宅ローン以外のローンの返済が多い方は、特に注意しましょう。
・健康状態
意外と見落としがちなのがこちらです。住宅ローンを借りるためには「団体信用生命保険」への加入が必須なのですが、皆さんの健康状態や過去の治療・通院歴、持病などによっては保険に加入できないケースがあります。心当たりがある方は、早めに金融機関担当者に相談することをおススメします。
・個人信用情報
実は、皆さんひとり1人の「信用情報」というものがデータベースに管理されています。信用情報とは、クレジットカードやローンに関する個人の取引事実や返済履歴のことです。よく「ブラックリスト」などという言葉を耳にしますが、それはこの信用情報に大きな傷がついている人のことです。
個人信用情報を登録管理している団体は3つあり、それぞれに情報開示請求を行うことができます。
・日本信用情報機構(JICC) https://www.jicc.co.jp/kaiji/
・シー・アイ・シー(CIC) https://www.cic.co.jp/mydata/index.html
・全国銀行個人信用情報センター https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/
自分の信用情報が気になる場合は、上記サイトから情報開示請求をしてみて下さい。どこでいくら借りているかだけでなく、毎月の返済履歴まで細かく記載されていますよ。また、実際に借入をしていなくても、ローンの申込をした履歴だけでも残りますので、皆さんのローン情報は基本的に各金融機関に筒抜けになっていると思っていいでしょう。
住宅ローン審査がいい回答ではなかった場合
実際に審査が望ましい回答でなかった場合、どうすればいいのでしょうか。
うまくいかない理由について考えてみよう!
金融機関は基本的にローンの謝絶理由を教えてくれません。なぜなら、保証会社の判断であったり、個人信用情報によるものだったりと金融機関だけでは判断できないこともたくさんあるからです。ですので、ここでは「もしかしたらこうではないか」と考えられる理由についていくつか挙げています。
①金額・期間(ローン金額・毎月の返済額が過大ではないか)
身の丈に合った金額を超えていると、審査はうまくいきません。年収が上がれば返済負担率は減りますが、年収はそう簡単には上がらないかと思います。返済負担率などを計算してみて、明らかにオーバーしている場合は、借入額を少なくするか、期間を長くして毎月の返済額を減らすかなどを考えてみましょう。
②勤務先・勤務年数(収入の安定性に関わる)
転職したばかりの人や勤務先が倒産しそうな人などは不利になります。更に、給与体系が歩合給などで収入が不安定な人、危険な作業が多い業種の方なども不利になるケースがあります。また、自営業の方や会社を経営している方は、その会社の決算書を提出するケースもあります。
③健康状況に問題がある
団信に加入できないことが判明した場合、2つの選択肢があります。
1つ目は「ワイド団信」に加入するケース、2つ目は「団信に加入せずにローンを組む」ケースです。
ワイド団信は通常の団信より緩い条件で加入できる保険で、過去に大きな病気をしていたり持病があっても、場合によっては加入できるケースがあります。また、団信に加入しなくても借入できる代表的な住宅ローンに「フラット35」があります。
④個人信用情報(過去のローン返済履歴)に問題がある
もし皆さんの過去の履歴に問題があった場合、まずは信用情報の情報開示を求めることをおススメします。そしてその内容を確認し、いつの何の取引に問題があったのかを知ることが大事です。万が一ご自身に身に覚えのないものがあったり、内容に不服がある場合は、弁護士を通じて異議申し立てをすることもできます。延滞履歴は一般的に5年で解消されるものが多いので、時間で解決するためにも早めに知っておくことが何より大切です。
⑤土地・建物に問題がある
住宅ローンはヒトの審査だけでなくモノの審査も行っています。対象の物件・不動産に問題があると住宅ローンが利用できないことがあります。身内同士の不動産の受け渡しや、法律を守っていない住宅はトラブルのもとです。
皆さんにできることは何?
もし審査の結果が良い結果ではなかった場合、諦めるしかないのでしょうか?
そんなことはありません。まずはうまくいかない理由を知る事が重要です。ローンの審査が通らなかったことを恥ずかしがる方も多いですが、周りの方の力を借りることが解決の近道です。案外、何とかなることも多いので、安心してください。
まとめ
今回は「住宅ローン審査がうまくいかない理由」について取り上げさせていただきました。裏を返せば、「どうすれば希望通りにローンを借りることができるか」をお伝えしたつもりです。
望むような結果が得られなかったからといって、住まいづくりを簡単に諦めないでください。住宅メーカーの営業担当や金融機関の担当者に相談すれば、親身に対応してくれるはずです。
住宅メーカーの営業は、住まいのトータルサポーターとして「お金」の話もプロでありたいと考えています。後悔のない住宅選びとローン選びをタカノホームはサポートさせていただきますので、お気軽にご相談ください!