無垢床ってなんだろう?メリット、デメリット教えます!
「無垢床」とは、一本の木から切り出した一枚の板を並べて作ったフローリングのことをいいます。無垢(ムク)とは、まじりけのないことを表す言葉です。木質フローリングには、この無垢床(無垢フローリング)と複合フローリングの2種類があります。
一般的な床材・フローリングは、合板を何層も貼り合わせて作られる「複合フローリング」です。表面だけではぱっと見わかりにくいのですが、断面で見比べるとわかりやすいですね。また、実際に歩いてみると質感が全く違い、季節によって肌ざわりや足に伝わる温度にも違いがあります。
無垢床のメリット、デメリットは?
では、無垢床にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
~メリット~
①天然木のあたたかみ
木はその繊維方向に無数の筒状の空気層があるため、保温性や断熱性が高く、ヒヤッと感じにくい素材です。ただ裸足で立っているだけでもほのかにあたたかく感じられます。冬場の展示場では「えっ、これで床暖房入ってないの?」とお客様に驚かれることもしばしばあります。
②優れた調湿性
アパートなどで、夏に床が「ペタペタする…」という不快な経験をしたことはありませんか?無垢床は、湿気の多い季節(梅雨~夏)は余分な湿気を吸収してくれるので、夏は裸足で歩いでもベタつきがなく、快適に過ごすことができます。また、乾燥しがちな季節(晩秋~冬)は水分を排出するため静電気を抑えてくれます。
③クッション性、やさしさ
使う樹種によって若干の違いはありますが、上記の空気層のおかげで適度に柔らかさがあるのも無垢床の特徴です。歩いていても足が疲れにくいので、足が悪いお年寄りやハイハイやつかまり立ちをする赤ちゃんの体にも負担が少ない、やさしい素材になっています。
④メンテナンス性
意外に思われるかもしれませんが、実はメンテナンス性に優れています。特別な手入れは特に必要がなく、傷やへこみなどのトラブルが起きても自分で対処できることがほとんどです。何より時間が経つとなじんでわかりにくくなります。(詳しくは下記の「無垢床のメンテナンス法」で!)
~デメリット~
①変形の可能性
無垢床の良さの一つに調湿性がありますが、湿度の変化によって木自体が縮んだり膨らんだりします。また、適切な間隔をあけずに施工すると板と板の隙間が開きすぎたり、逆につまり過ぎて「つなぎ目」部分が盛り上がったりして、「床なり」の原因になってしまったりするので注意が必要です。
②傷つき、へこみやすさ
適度に柔らかい反面、樹種によっては傷やへこみがつきやすいです。比較的柔らかいスギやパイン材などでは椅子を倒しただけでへこんでしまうことも…。
③比較的価格が高い
樹種によってもバラつきがありますが、基本的に複合フローリングと比べ高価なことが多いです。特に無垢床の中でもヒノキやブラックウォールナットなどは高価なので、全体の予算を考えながら選択する必要があります。
無垢床は本物の木ですので、このようなメリット・デメリットがありますが、一番の魅力は木そのものの特徴がそのまま受け継がれているところです。耐久年数が長く、時間を経るごとに色味や艶など、より深い表情が生まれるので、「経年変化」を楽しむことができる素材といえます。
意外と大事?!床の表面の仕上げについて
ここで注意いただきたいのが、無垢床の表面の仕上げについてです。 無垢床の表面には汚れ防止のために「植物性の油(自然塗装)」を染み込ませて仕上げをしますが、無垢床のデメリットを解消しようと、仕上げにツヤツヤした「ウレタン塗装」を施したものも多くあります。しかし、それでは木の呼吸を妨げてしまうため、無垢床のメリットもなくしてしまっています。せっかく無垢床にするのであれば表面の仕上げにも是非ご注目ください。
こんな時も大丈夫!無垢床のメンテナンス法
・コーヒーや醬油をこぼしてしまった…
放置するとシミになり、落ちにくくなってしまうので、こぼしてしまったらすぐに乾拭きもしくは硬く絞った布巾で水拭きしてください。それでも取れなかった場合、そんな時は紙やすりで汚れを削り取ってしまいましょう!無垢床ならではの方法ですね。その際は表面のオイル塗装も一緒に削り取ってあげて、最後に自然塗料を染み込ませたウェス(布切れ)で再塗装してください。万が一、ささくれができたとしても同じように紙やすりをあててなじませてあげれば、簡単に自分でメンテナンスすることが可能ですよ。
・へこんでしまった…
子どもがおもちゃを落としてしまった、椅子を勢いよく倒してしまった、など生活する中で床がへこんでしまうこともありますよね。無垢床なら、へこんでしまった傷は濡れたタオルとアイロンで修復することができるんです!傷の上に濡れたタオルを置き、その上から熱したアイロンをあてると、無垢床が水を吸って膨らむため元に戻ってくれます。身近なものでメンテナンスできるなんて驚きですね!ただ、実はへこみ自体はほっておいても経年変化で目立たなくなっていきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?ここまで無垢床についていろいろ見てきましたが、タカノホームでは「無垢床」をおススメしております!
いくつかの注意点はありますが、それを差し引いても有り余る良さがあります。何よりひとつ一つが自然物、いわば一点もので、使い続けるごとに風合いが増していく無垢床は、毎日毎日長く使い続ける住まいの素材としてはうってつけだと考えているからです。
家族の歴史を一緒に刻んでくれる住まいづくりに、「無垢床」はいかがでしょうか?選ぶ樹種によってお部屋の雰囲気も大きく変わりますので、イメージにあった床材を探してみてください。
タカノホームの展示場では無垢床の良さをそのまま感じていただくために、あえてスリッパは用意しておりません。是非ご自身でその心地よさや木のいい香りを体感してください。もっと詳しくお話を聞きたいという方もお待ちしております!